スロットマシンの絵柄になぜ「フルーツ」?
カジノでスロットマシンをプレーしている時、比較的頻繁にフルーツの絵柄をそろえた経験がある人は多いだろう。スイカ、チェリー、ブドウにオレンジ…。これらの小役がそろうと、手持ちのコインを一気に減らすことなく、リールをスピンし続けられ、ジャックポットの期待も長続きする。でも、ふと不思議に思ったことはないだろうか。なぜ、絵柄がフルーツなのか。
起源は100年以上前
時代やトレンドに合わせて様々なテーマの機種が登場するスロットマシンだが、フルーツの絵柄が含まれるSuper Hot Fruits やBonus Fruits などの定番機種はオンラインカジノスロットで今も根強い人気がある。ポップで楽しい雰囲気だが、いざジャックポットを引き当てたときの爆発力はすさまじい。日本映画「カイジ2 人生奪回ゲーム」ではカイジが当たれば一撃15億円のパチンコに挑むシーンがあるが、ジャックポット時のペイアウトはそれに匹敵する可能性だってある。
フルーツの絵柄の話に戻そう。その起源は100年以上前にさかのぼる。コインで作動するスロットマシンの原型が登場したのは1800年代後半のアメリカが最初。当時の景品は葉巻などで、店員が手渡ししていたという。 ただ、ほどなくしてそんなスロットマシンは「ギャンブルか否か」という論争が巻き起こる。州によっては規制がかけられそうな事態になった。そこで、スロットマシンメーカーのミルズ社がうまくすり抜けた。1910年、賭博禁止法をかいくぐるために、ガムの自動販売機をゲーム機に付属させたマシン、”リバティ・ベル・ガム・フルーツ”を登場させたのだ。
「自販機」とカムフラージュ
あくまで「スロットマシンはギャンブルの機械ではなく、ガムの自販機だ」と言い張ったのだ。リールの絵柄はプラム、オレンジ、レモン、スペアミントの葉など。絵柄がそろったらガムと交換。それが、フルーツシンボルの起源とされる。さらに、現代のスロットマシンでもよく見られるBARという絵柄もこのマシンの「板ガム」がモチーフとなっているという。
ずる賢いともいえる理由で生まれたスロットマシンのフルーツ絵柄が、世紀を超えた今も愛され続けている。噛んでも噛んでも味が続くガムのように、なんとも味わい深いストーリーではないか。