最初の緊急事態宣言から1年、コロナ禍が続く中、高齢者の「孤立」が深刻化しています。その解決策として期待されているのが「ゲーム」だといいます。
▽“ギネス”最高齢の実況系YouTuber
森さん「こんにちは。今回は、ロケットランチャーで遊んでみます」「あっゾンビだ!」
的確に狙いを定め、豪快にゾンビを爆破!‥プレイしているのは、最高齢「ゲーム実況YouTuber」としてギネス世界記録を持つ森浜子さん、御年91歳です。『ゲーマーグランマ』の名でゲーム実況動画をアップする森さんのチャンネル登録者数は、なんと49万人。
「若者の遊び」というイメージの強いゲームですが、いまその存在が“シニア世代”の救世主になるかもしれない、というのです。
▽eスポーツでシニア絶叫
「3、2、1、スタート!」
西東京市の、とある団地で行われていたのは、大人気レースゲーム「グランツーリスモ」。時速200km以上の猛スピードでコース走り抜けます。
「ぎゃー!!!」
これは、対戦ゲームを競技ととらえた『eスポーツ』。実はこのeスポーツが、日本の抱える“高齢化問題”の解決策として注目を集めているのです。
担当者:「特に認知症予防とか運動機能向上といったことを目的にeスポーツの導入が盛んに進んできまして、“デジタル薬”という言い方してるんですけど、日本でもそういう認可が始まりまして、様々な研究を開始しております」
大盛り上がりのゲーム対戦を見守っていたこちらの男性、実は黒土交通省の研究者です。eスポーツを街づくりに生かすための研究をしているそうです。
「介護制度とかに頼らないで、高齢者が地域の中で長く自立して暮らせるように、研究の一環ということで」
▽シニア×eスポーツ×ビジネス
さらに“eスポーツ”は高齢者の健康維持だけでなく、ビジネスとしても大きな期待が寄せられています。というのも、ゲームの市場規模は日本だけでも2兆円以上、世界では17兆円とも言われる成長産業。「シニア×eスポーツ」をめぐる動きは、海外ではさらに先をいきます。
4年前、スウェーデンに誕生したeスポーツチーム「SilverSnipers」。平均年齢は、なんと71歳!企業から支援を受ける、れっきとしたプロチームです。メンバーの一人、8人の孫を持つインゲルさん(69)は2019年に世界チャンピオン(シニア)に輝くなど、まさに、レジェンド!
インゲルさん「若者たちからは『あなたはレジェンドだ!』とか『サインが欲しい、一緒に写真撮ってもいい?』と聞かれます。とにかく楽しくて、それしか言えません。ゲームを始めることで、新しい人生を手に入れることになるんです」
▽“シニア限定”ゲーム施設
シニア層のeスポーツ人気はとどまるところを知らず、日本でも60歳以上限定のゲーム施設が誕生しました。
担当者「若者よりもシニア世代の方が人口が増えていきますので、そういった対策として十分ビジネスになると思っています」
夫「こんにちは、お世話になります」
妻「よろしくお願いします」
この日、施設を訪れたのは宇梶さん夫妻。半年ほど前から夫婦揃ってパズルゲーム「ぷよぷよ」を始めました。その腕前は・・・
妻「あっ、行き過ぎた!」
担当者「まだまだ立て直せます。大丈夫です」「じゃあ緑いっちゃいましょう。そしたら緑、紫、青が消えて、3連鎖ですね」
コロナ禍で、外出や趣味の機会が失われる高齢者も多い中、もともと旅行などが趣味だったという宇梶さん夫妻はeスポーツで『夫婦の時間』を取り戻したそうです。
妻「コロナで何もすることなかったし、ちょっと覗いてみようかって感じで」「それでこれ(eスポーツ)が、当たりでした」
Q:続けたいですか?
夫「続けます」
妻「今、生きがいや。することないから」
超高齢化社会の未来は、eスポーツで明るくなる!のかもしれません。
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