もしかして寄生虫に感染している?10の症状と治療法を紹介

原因不明の体調不良、もしかしたら寄生虫のせいかもしれません。清潔な日本で無縁と思われがちな寄生虫ですが、意外と感染していることがあります。症状をチェックして早期に発見すれば治療が可能です。寄生虫の感染経路と10の症状、自然療法や治療法について見ていきましょう。

寄生虫とはわかりやすく何?

寄生虫とは他の生物の表面に付着または内部に侵入して、その栄養を糧とする生物のことです。寄生虫は動物や人間を宿主として生きています。

日本でも、かつては多くの人が回虫や鉤虫(こうちゅう)に感染していました。マラリア、膣トリコモナス、ケジラミ、ノミ、シラミ、ダニも寄生虫の一種です。

寄生虫の感染経路とは

感染中の種類によって感染経路は様々ですが、口からの感染が最も多いとされ、生の野菜、加熱不足の肉や魚介類、飲料水から感染することもあります。

海外へ旅行に行った先で気づかない間に体内に侵入していた、なんてこともあるのです。手洗いが十分でないと、ドアノブや食卓などあらゆる場所に付着している可能性が否めません。

身近なペット、犬や猫などに寄生している寄生虫から人間が感染することもあります。ノミや蚊など昆虫にかまれて感染する場合もあります。

また、性行為も寄生虫の感染経路の一つで、毛ジラミや膣トリコモナス、赤痢アメーバなどが例としてあります。

あなたも寄生虫に感染しているかも?10の症状

寄生虫に感染すると、寄生虫が血液中に毒素を放出することにより、腹痛や腸の調子が悪く便がいつもと違う、皮膚が荒れるなど不調が現れます。寄生虫の感染を疑うべき症状は次の通りです。

  • 原因不明の便秘、下痢、ガス、腹部の膨満感や腹痛、吐き気、その他下腹部の不快な症状がある
  • 海外へ渡航し、旅先で下痢になった方
  • 食あたりを起こし、それ以来消化不良がある方
  • 寝つきが悪い、または夜中に何度も目が覚める
  • 皮膚が荒れ、原因不明の発疹、じんましん、酒さ(発赤と小さな吹き出物)などの症状がある
  • 睡眠中に歯ぎしりをする
  • 筋肉や関節が痛み、苦痛を感じる
  • 慢性疲労症候群(疲労感、倦怠感、気分の落ち込み、絶望感、定期的な無気力感など)の症状がある
  • 食事をしても満腹感や満足感がない
  • 深刻な鉄欠乏性貧血と診断された

寄生虫は自然治癒する?効果的な治療方法は?

ごく一部の寄生虫感染の症状には自然に治癒するものもありますが、一部は自然治癒が期待できず深刻な症状に陥ることもあります。ハーブなど植物由来の自然治療や、医薬品を服用しての治療など、様々な選択肢がありますが、医師と相談して適切な治療を受ける必要があるでしょう。有名な寄生虫治療薬や自然療法に用いられる植物成分は次のようなものが代表的です。

イベルメクチン

日本の大村智教授がノーネル賞を受賞したことで有名な医薬品です。腹痛、吐き気、蕁麻疹など症状が伴う糞線虫の感染症や、ダニの一種が寄生して皮膚に痒みが起こる疥癬という感染症に主に用いられます。日本で新型コロナウイルス治療薬として治験が行われていることで注目が高まった抗ウイルス薬です。イベルメクチンは個人輸入の通販で購入可能です。

ベルベリン

植物由来の薬成分で、生薬「黄蘗 (おうばく) 「黄連」の主成分です。オウレンやキハダの根茎や樹皮から抽出されたものです。日本では古くから健胃整腸薬として用いられ馴染み深い植物エキスです。いくつかの研究では、ベルベリンには寄生虫を減らす働きがあることが発見されており、サナダムシの感染から防ぐと報告されています。

パパイヤの種

パパイヤの種は腸を整える作用が知られ、昔から自然療法に取り入れられています。2015年にケニアの児童たちを対象に、粉砕したパパイヤの種子を入れたお粥、抗寄生虫薬を加えたお粥、通常のお粥を食べるグループで数ヶ月にわたり試験が行われました。パパイヤの種のお粥を食べたグループは、試験後の便に含まれる回虫の卵が63.9%減少、薬入りのグループは78.8%減少しました。

カボチャの種

カボチャの種は漢方薬に用いられ「南瓜仁」「南瓜子」と呼ばれます。カボチャの種にはアミノ酸と脂肪酸が豊富に含まれ、特に抗酸化物質であるベルベリン、ククルビチン、パルマチンが多く含まれています。これらのアミノ酸は、一部の寄生虫に対して卵と成虫の量を減少させることが研究により報告されています。

ヨモギ

ヨモギは古代から様々な治療に用いられ万能薬として世界で使われてきたハーブです。日本でも薬膳料理の材料で登場します。マウスを使った実験によるとヨモギから抽出したエキスがサナダムシ成虫とその卵に作用し動けなくすることが報告されました。まだ植物そのものが病気の治療薬になるかどうかは、さらなる研究が必要とされています。

食事・健康対策

自然医療の専門家によると、胃酸は食べ物から感染する寄生虫に有効な場合あり、対策としてカフェイン飲料、アルコール飲料、砂糖や精製された穀物などは控えた方が良いと言われています。食事に積極的にニンニクやニンジン、サツマイモ、カボチャなどを摂取するといいと推奨されます。これらの野菜は、体内でビタミンAに変換されるベータカロチンを多く含んでおり、蠕虫(ぜんちゅう)を体内で撃退するサポートが期待できます。また、ヨーグルトにはプロバイオティクスが含まれており、腸内の「善玉菌」を再生させる働きがあります。ビタミンCとビタミンBを多く含む食品を積極的に摂取して、生肉や魚介類は避けた方が良いと考えられています。

一部専門医の中には、腸内洗浄やデトックスを推奨しており、繊維質の多い食べ物(サイリウム、ビートルート、フラックスシードなど)と、腸をきれいにするためのサプリメントを摂取するように勧めています。しかしながら、今のところ食事やデトックスが寄生虫感染の予防や治療に役立つことを示すエビデンスは確立されていません。

まとめ

吐き気、下痢、嘔吐、腹痛、体重減少などは、寄生虫感染を疑った方が良い症状です。適切な処置をしないと重症化や深刻な状態に至る可能性があります。早めに医療機関を受診することをおすすめします。イベルメクチンなど適切な医薬品により速やかに安全に治療が行える場合があります。

自然療法を検討している場合は、現時点では有効性を示す証拠が限られていることを踏まえておく必要があります。植物由来成分は生薬に用いられているものもあり、ベルベリンとヨモギのエキスは有効性が期待できます。また、カボチャの種やパパイヤの種も寄生虫に対する作用の研究が報告されています。

免疫防御力を高めるために、ビタミンA、セレン、亜鉛、プロバイオティクスなど免疫力を高める食べ物を積極的に取り入れるのも重要なことです。

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